確定拠出年金のメリット・デメリット|損得を見極めるポイントとは

以前も少しふれたことがありましたが、今回は確定拠出年金のメリット・デメリットについて書きたいと思います。

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確定拠出年金は、国民年金に上乗せされる厚生年金、その上にさらに3段階目として上乗せされる部分のことで、似たようなものに確定給付年金というものがあります。

確定給付年金は老後に給付される金額が確定されているもので、一方の確定拠出年金は老後の給付のための拠出(積立)が確定しています。

前者は基本的に会社が運用し、決まった額を年金として支払いますが、後者は自分自身で運用を行い、その結果に応じた額が年金として支払われます。

確定拠出年金が推されることが多いですが、実際のところ、会社が自力で運用して年金を支払う能力がなくなってきたため、商品を証券会社などに用意してもらって個人に任せようというのが実情です。

国としてもこちらにお金を流していきたいのか、いろいろと税制面での優遇が図られていますが、果たしてこれは本当に得なのでしょうか。

いろいろと調べていくときに浮かんだ疑問について、私なりの考えを書いていきます。

大きなメリットとたくさんの小さなデメリットがありますが、トータルで見ればお得なのは間違いありません

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メリット

節税効果がある

一番のメリットとして良く謳われていますが、確定拠出年金への拠出は所得から控除されるため、そこにかかる税金はなくなります。

私の場合は毎月5万円程度拠出しているので、年間の拠出額は60万円になります。

これが所得から控除されるので、大体3割くらいが税金や保険、年金で引かれていると考えると、年間で20万円弱の節税効果があることになります。

退職金控除の対象になる

積み立てたお金は老後に受け取ることになりますが、一時金(まとめて1回)で受け取った場合、退職金と同じ扱いを受けます。

会社の退職金とあわせてどこまで控除されるかは人によりますが、この仕組みを利用することで受け取り時の税金を低く抑えることが可能です。(後述)

また、退職金のない会社に勤めている人、フリーランスの人などは退職金控除枠をフルに活用できるので、間違いなくお得です。

デメリット

厚生年金が減少する

会社員であれば厚生年金に加入していると思いますが、ご存知の通り厚生年金は現役時の所得によって大きく変わります。

それはもちろん所得が多ければ掛け金も多いからなのですが、確定拠出年金に拠出した金額は所得からは控除されます。

つまり、所得が減る分、厚生年金の掛け金が減り、将来貰える厚生年金も減ります。

こればかりはその人の所得水準によるとしか言いようがないのですが、基本的に減らないのは限界を突破している高所得者だけです。

とはいえ、非常識なレベルで長生きしない限りは、減る年金よりも払わなくて済む年金の掛け金、税金の方が大きいでので、気にしなくても良いでしょう。

受け取り時に税金がかかる

受け取り時は所得税がかかります。

一時金として受け取るのであれば退職所得として扱われ、年金として受け取るのであれば雑所得となります。

積み立てた分は税金がかからないということだけがクローズアップされていますが、受け取り時に税金がかかることはあまり話に出てきません。

こちらについても将来払う税金よりも今控除される税金の方が大きいので気にしなくても良いのですが、このことを知らずに無駄遣いしてしまうと、将来の税金で思ったよりお金がない…なんてことになりかねません。

言ってしまえば税金の先送りでしかないので、節税効果で得したお金の使い道はしっかりと考えましょう。

受け取り時の景気に左右される

不況になるかどうかは運次第なのでどうしようもありません。

もしも受け取るときに株価が暴落していたら…もちろん金額は目減りし、元本割れを起こしている可能性も十分あります。

ですが、どんなに不況になっても10年あれば回復すると考えています。

確定拠出年金は受け取りタイミングを70歳まで伸ばせるので、不況になっていなければすぐに受け取り、不況であれば回復を待つというのが一番だと思います。

ですがここでひとつ注意が必要で、確定拠出年金は加入期間によって最短の受け取り開始年齢に制限がるのです。

10年以上加入していれば60歳から可能で、2年短くなるごとに最短開始時期が1年伸びていきます。

絶好の受け取り開始タイミングを探れるように、確定拠出年金は早めにはじめておくのが良いですね。

50代くらいになったら、ある程度景気が良くて評価益も出ているのであれば、そのタイミングで定期預金などの元本保証型の商品にスイッチングするというのも大きな選択肢の一つです。

一時金と年金どちらで受け取るのが有利?

確定拠出年金は、運用後の資産を一括で受け取る方法と、年金形式で分割して受け取る方法が選べます。

基本的には一括で一時金として受け取ることをおすすめします。

一時金として受け取る場合

前述のとおり、この場合は退職金扱いになるため、退職金と同じ所得控除を受けることが可能です。

注意点としては、会社から貰う退職金と確定拠出年金の一時金が同じ年になった場合、両方で控除を受けるのではなく、合算した金額から控除を受けることになります。

退職金控除額は20年までは4万円×勤続年数、それを超えた部分は70万円×勤続年数となります。

確定拠出年金については加入期間が勤続年数として扱われます。(所得税控除の計算には長い方の勤続年数を使用)

30年務めているのであれば1,500万円、38年務めているのであれば2,060万円までは税金がかかりません。

また、退職金控除額を超えた分については半分についてのみしか税金がかかりません。

ここで言えることは、「会社員でなければ(退職金がなければ)なにも心配はない」ということです。

そうでない場合は、会社の退職金がある場合は確定拠出年金との合計と控除額を比べて判断することになります。

退職金控除枠をはみ出る場合

会社の退職金と確定拠出年金の一時金の合計が退職金の控除枠をはみ出てしまう場合は、受け取るタイミングをずらすことで税金を低く抑えることができます。

タイミングをずらしても所得税の控除枠は復活しないのですが、所得の半分が非課税なります。

また、退職金とタイミングをずらして確定拠出年金を受け取ることで、年間の所得額を大きく減らすこともでき、その分税率が下がるので税金が減ることになります。

退職金控除枠をはみ出ない場合

この場合は何も考えずに会社の退職金と一緒に受け取ればOKです。

会社の退職金も確定拠出年金の一時金も税金がかからず、そのままの金額を受け取ることができます。

年金として受け取る場合

会社員で厚生年金をもらっている人が年金形式で確定拠出年金を受け取る場合、年金の控除額をはるかに超えてしまいます。

さらに、税金だけではなく、社会保険料等も高くなってしまいます。

その上に確定拠出年金は受け取る度に手数料がかかるため、回数が多ければ多いほど余計な手数料がかかります。

そのため、一時金として受け取る方がお得であると言えます。

厚生年金がない人は年金控除を使うことができるので、選択肢としてはありだと思います…が、その場合は退職金もないと思うので、結局一時金で受け取る方がお得な気がしますね。

一時金と年金を併用した場合

今後公的年金(国民年金や厚生年金)の受け取り開始年齢が遅くなる場合は話が変わってきます。

例えば、公的年金の受け取りが70歳からになった場合、60歳~70歳で確定拠出年金を年金形式で受け取れば、年金控除をフルに活用することが可能です。

確定拠出年金で積み立てたお金のうち、60歳~70歳に年金で受け取る分以外は一時金として受け取り、70歳からは公的年金のみを受け取れば良いのです。

公的年金の受け取り開始時期は自分で遅らせることもでき、それにより(長生きすれば)受取総額を増やすことが可能です。

この仕組みと組み合わせ、公的年金の受給開始までは確定拠出年金を年金形式で受け取ることで、退職金控除と年金控除をフル活用することができます。

ただし、金融機関によっては併用ができないところもあるので、事前に確認しておきましょう。

※このブログでおすすめしている楽天証券は併用可能です

おわりに

備忘がてら自分で調べたことをまとめてみました。

大まかにまとめると以下のイメージです。

積立中の支払積立後の受取トータルの収支備考
所得税・住民税積立金の受取に課税されるが退職金控除により軽減可能
厚生年金標準月額報酬が下がるため受取金額が減少
保険料ただし失業手当や傷病手当が減少

これだけ見ると収支プラスじゃん!と思われるかもしれませんが、そのプラスが将来ではなく現在寄っているため、やはり計画的な資産形成が必要です。

とにかく言えることはこうやっておけば大丈夫という王道パターンはないということです。

今のところ大事だと思っているのは、

  • 浮いた税金を無駄遣いしない
  • 会社員は退職金と受け取るタイミングをずらす
  • 受け取るタイミングに猶予を持たせて不況時に受け取らない
  • 会社員でなければ(退職金がなければ)絶対にやるべき!!!

というところでしょうか。

色々と人によると書きましたが、最低でも節税効果と厚生年金の減少が差し引きでプラスになるのは間違いありません。

また、積立金の受け取りは退職所得扱いになるので、退職金控除額を超えたとしても、半分に対してしか課税されません。

もちろん運用に失敗して資産が減るというのはあり得ますが、20年超の視点で株式インデックス投信を積み立てていけばうまく運用できると思います。

ちゃんと考えなければいけないですが、それでもしっかりと取り組めばお得なことは間違いないので、是非お勧めしたいです。

また、個人で確定拠出年金をやるのであれば、とにかく信託報酬(手数料)の低い商品に積み立てることが重要なので、商品のラインナップが豊富な楽天証券をおすすめします。

口座手数料は無料ですし、信託報酬(手数料)の少ない投資信託も豊富です。

信託報酬は複利でマイナスに働いてしまうので、低い投資信託を選ぶのはとても重要です。

楽天証券

以前はSBI証券と楽天証券で甲乙つけがたかったのですが、楽天カードによるポイント付与など、様々なサービスとあわせて使うことで楽天証券の利点が強くなってきました。

私自身も調べていく中で勘違いしていることにたくさん気づき、調べたのにすぐに忘れてしまったりと苦労していたので、もっと早くまとめておけば良かったなぁと思いました。

簡単なものではないですが、適切に使えばお得なことは間違いないので、これの記事がみなさんの参考になれば幸いです。

コメント

  1. b2 より:

    分かりやすい解説ありがとうございました。
    ひとつ気になったのですが、厚生年金の掛け金が減るというのは、本当でしょうか。
    厚生年金の等級は、各種控除前の収入で決まると思っていたのですが。

    • すずかsuzuka より:

      コメントありがとうございます。

      厚生年金の計算に使用される標準月額報酬は、
      確定拠出年金の支払いが控除されたものになりますので、
      掛け金も受取額も減少します。

      税金と社会保険料が下がる!ということを前面に押し出している制度ですので…
      その裏の受取時のデメリットもしっかり見ていきたいですね。