老後2000万円問題のせいもあって、最近では確定拠出年金に興味を持つ人が増えてきました。
また、興味がなくても会社が確定拠出年金に移行して仕方なく…という人も多いと思います。
まずは制度自体をしっかりと理解する必要がありますが、全体的に見れば税制面で非常に優遇されている制度と言えます。

このブログでは積立NISA等と同様に、確定拠出年金についても株式インデックス投信の積立投資をおすすめしています。

ですが確定拠出年金では、投信のような値動きのある商品はちょっと怖い…という人向けに、元本確保型商品がどの証券会社でも用意されています。
そこで、本記事では元本確保型商品のメリットとデメリットについて紹介します。
結論を言ってしまうと、リスクを取らず節税効果を受けられるので投資に抵抗がある人は元本確保型商品で確定拠出年金のに取り組むべきです。
元本確保型商品とは

名前見れば分かるよ?

そこまで大きな問題ではないけど、似たような言葉の元本保証型商品と勘違いしている人も多いんだよ
元本確保型商品と元本保証型商品は似ているようでちょっと違います。
元本確保型商品 | 元本保証型商品 | |
利回り | 雀の涙 | 雀の涙 |
解約時 | 元本割れの可能性あり | 元本は保証される |
満期時 | 元本は保証される | 元本は保証される |
商品例 | 債券、保険商品 | 定期預金、個人向け国債 |
確定拠出年金では扱われるこの手の商品は定期預金か保険商品が主ですのでどちらにも属す可能性がありますが、大抵は元本確保型商品と呼ばれています。
元本確保型商品で気を付けなければならない点はこの後のデメリットで説明します。
元本確保型商品のメリット

まずは確定拠出年金で元本確保型商品に投資するメリットから説明します。
所得控除を受けられる
元本確保型商品であっても、他の商品と同様に積み立てたお金が所得から控除されますので、所得税や住民税、社会保険料を減らすことができます。
運用益はほぼゼロになりますが、それでも節約される税金等が大きいため、価格変動のリスクを取らずに所得控除の恩恵にあずかることができます。

ちょっとしつこいかもしれないけど、単純に減るだけではないからしっかり制度を頭に入れてから投資しましょう
出口戦略が明確になる
株式インデックス投信等の値動きのある商品に投資していると、受け取ろうと思ったタイミングで景気が悪ければ資産は目減りしている可能性があります。
そのため、このブログでも10年以上受取のタイミングをずらせる前提で投資することをおすすめしています。
ですが元本確保型商品であれば、満期に受け取れば元本は帰ってくるので、タイミングをはかるひつようもありません。
受け取る時期と金額が事前に分かっているため、将来のキャッシュフロー計画も立てやすいですね。
運用成績を気にしなくて良い

そりゃあそうでしょうよ

積立投資でも話しているけど、放置プレイできるということは想像以上に大きなメリットだよ
積立投資では決まった間隔で決まった額を積み立ててるだけで、放置プレイできるのがメリットと説明してきましたが、元本確保型商品はその最たるものです。
なにせ価格変動がないのですから気に使用がありません。
将来に向けて節税しながら積み立てを行いつつ、本業に専念できるというのは大きなメリットです。
投資の成績が気になってディスプレイから離れられないなんてことになっては元も子もありませんからね。
元本確保型商品のデメリット
投資自体の利益は出ない

当たり前じゃん

これ自体は直接的なデメリットにはならないかもしれないけど、注意しないといけない点がいくつかあるんだ
厚生年金基金や退職金の代わりに確定拠出年金の制度が始まった会社の人は要注意です。
旧来の制度では一定の利回りを前提に支給額を計算していますが、これを元本確保型商品への投資に置き換えた場合、利回りはほぼゼロなのでその額に届かなくなってしまいます。
旧来の制度が前提としている利回りは会社次第ですが、そこと大きなギャップがあるようだと、節税できても退職金が目減りしてプラマイゼロなんてことになるかもしれません。
大抵の場合は旧来の退職金より受取額は減ったとしても節税できる額の方がはるかに大きいと思いますが、しっかりと確認しておきましょう。
定期預金や年金と同じデメリットが存在する
インフレリスク
元本確保型商品のほとんどは定期預金か保険商品のどちらかです。
そのため、現金の一番のリスクである、インフレリスクが存在します。
どういうことかというと、100万円はいつまで経っても100万円なので、もしもインフレが起きて物価が上がってしまうと、実質的に資産が目減りすることになります。
今まで100円で買えていたハンバーガーが200円になっていれば、お金の価値は半分になってしまったともいえるのです。
この点では、物価が上がれば株価も上がるため、株への投資はインフレに強いと言われていています。
倒産リスク
定期預金や保険などの商品を提供している銀行や保険会社が破綻した場合は、一定のルールに沿って積立金が保護されることになります。
定期預金であればペイオフ(預金保護)により1,000万円までは保護されますが、それを超えていると保護されない可能性があります。
商品を提供している金融機関は大抵は大手の銀行なのでそんなに心配する必要はないと思いたいですが、今後銀行がつぶれない保証もあります。
また、保険商品の場合は中途解約すると元本割れを起こす場合があるので、きちんと商品の説明を読んでおきましょう。
手数料にも注意
手数料自体は元本確保型商品でなくてもかかりますが、元本確保型商品の場合は運用益が見込めないため、手数料によって運用益がマイナスになる可能性が高いです。
節税で得られる効果に比べれば微々たるものですが、塵も積もれば山となるです。
なお、手数料は月々167円の証券会社がほとんどですので、30年続けるとして6万円ちょっとですね…運用益はマイナスになるのは癪ですが、メリットに比べれば大したことはありませんね。
銀行のATM手数料を1回でも払ってしまうと金利が全部吹き飛んでしまうようなものです。
ちなみにこの手数料、企業型の確定拠出年金の場合は企業が払ってくれるので気にする必要はありません。
おわりに

こうやって見ると元本確保型商品も悪くない気がするね

ただ定期預金に積み立てるのに比べればはるかにお得だよ
元本確保型商品に本記事で説明したようなデメリットはありますが、それは知らずに適当な積み立て&浪費をしてしまうと危ないというだけです。
事前に
ということを理解していれば大したデメリットではありません。
これは価格の変動する商品にも言えることですし、投資全般にも言えることなので、楽な投資をするためにも最初は苦労して設計する必要があると言い聞かせて頑張りましょう。
冒頭でも紹介しましたが、以下の記事を参考にしてもらえればと思います。

ちなみに、企業型の確定拠出年金では元本確保型商品も利用する人が多いそうですが、個人型(iDeCo)では知らない人すらいるそうです。
証券会社もあまり儲けにならないので宣伝しないのかもしれませんね。
確定拠出年金は様々な証券会社で参加することができますが、私は楽天証券をおすすめしています。
楽天では元本確保型商品として「みずほDC定期」がありますので、この記事で紹介した節税ツールとしても活用できます。
また、以前の記事でも紹介しましたが、投信を楽天カードを使って購入することができます。

月に5万円までは楽天スーパーポイントの付与対象となるため、確定拠出年金をポイント還元の対象とすることができ、実質積立額が1%増加するようなものです。
20年スパンで見るとかなりの違いになってくると思います。
確定拠出年金の記事を書くたびに言っていますが、大事なのは今お金が浮くという発想ではなく、それも含めてすべて将来の資産形成のための手段だと思うことです。

自信の性格と余裕資金と相談して、適切な商品を選んでいきましょう!
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